気候オーガナイザープログラム
REPORTS
コーチング 2022.06.12

2022年前期実践プログラム(2月~5月):走り出したチームの伴走

コーチング

2022年1月のワークショップに参加した5チームは、その後2022年5月までの4ヶ月間、定期的なグループコーチングを受ける実践プログラムに参加しました。

実践プログラムは、私たちの中で別名「伴走コーチング」と呼ぶこともありますが、その名の通り、コーチが市民のチームに伴走し、コーチングを通して活動家が自身の課題を解決するサポ―トをします。

 

活動する中で困難に直面していればいるほど、活動している本人はその状況に入り込んでしまいがちで、自分の中での「当たり前」からなかなか離れられないものです。そのとき、その状況の外から、質問と言い換えを通して、本人が持っている答えを引き出すサポートをするのが、コーチの役割です。

コミュニティ・オーガナイジングにおけるリーダーシップとは、単に人前に立つことや一人で周囲を引っ張ることではなく、「他者ができるようにすること」であり、それこそがコーチングのフレームワークになっています。

例えば、コーチングで出てきたタスクをAさんが「自分がやります」と手を挙げました。すると、コーチは「それは一人でやりますか?それとも誰かと一緒にやれそうですか?」と質問をします。そうすることで、一人に役割やタスクが集中せずに、メンバーで助け合えるように促すことができます。

 

実践プログラム後のアンケート結果では、ワークショップ参加前と比較して、参加者が自分のストーリーを語ることや、相手からコミットメントを得ること、会議のファシリテーションで参加者の発言を促すこととについて、自信を持てるようになっていることがわかりました。一方で、権限移譲や役割分担、自分の活動に他者から関心を持ってもらうことや、メンバー同士サポートすることは難しい場合も少なくないようです。

 

ワークショップ(WS)の前後で、リーダーシップについてアンケートを取っており、その結果が以下の通りです。

  1. 【リーダーシップについての考え】以下の質問に対して、以下の基準であなたの考えに最も近い答えを1~5から選んでお答えください。

 

質問 WS前 WS後 変化
人は私自身の個人的なストーリーよりも活動について聞きたいはずだ 3.69 2.62 -1.08
どのようにすれば相手からコミットメントを得られるか知っている 2.46 3.38 0.92
会議での人の参加を促すファシリテーションが出来る 3.00 3.92 0.92
私はチームメンバーに責任や権限を移譲することができる 4.00 4.38 0.38
他の人を、自分の活動について気にかけるように促すことができる 3.31 3.38 0.08
共に活動するメンバーが約束したことをやり遂げられるようサポートできる。 3.69 3.69 0.00

実践プログラムを通して、参加した5つのチームそれぞれの課題が明確になりました。全体的に戦略的ゴールの立案や2層目(コアチームの次の層)のチームのリクルートや立ち上げが難しいことがわかりました。今回の学びを活かし、次のワークショップや伴走期間につなげていきます。