気候オーガナイザープログラム
REPORTS
トレーニング 2024.08.16

気候オーガナイザートレーニング(2024年7月戦略ワークショップ):気候危機という壮大な課題にもかかわらず、コミュニティ・オーガナイジングを学ぶと「自分達にできそう!やってみよう!」と思えるのはなぜか?

トレーニング

「気候オーガナイザートレーニング〜自治体の気候危機対策をチームで変えよう〜」の一環として、6月15日のチーム立ち上げワークショップから4週後の7月13日に、戦略を立てるワークショップを開催しました。具体的に学ぶ単元は、「戦略」と「アクション」というフレームワークです。今後COを実践していく3つの自治体チームから9名とワークショップを支えるスタッフが8名参加しました。

参加者は何を学んだのか? ワークショップの最後に出た参加者の主な感想(かぎ括弧内の太字)を見ながら、解説していきます。

 

 

1.「具体的な道筋が見えたことで希望を感じた」

気候危機は全世界で取り組むべき課題であり、気候危機の原因や解決策も複雑なため、「何をしたら良いのかわからない」と思う人が多いのではないでしょうか。

しかし、ワークショップの中で、「戦略」の講義・演習を通し、大きな課題に対して自分の住む自治体で「いつまでに何を達成したいかという細分化したゴール」を設定することで、ステップが見え、次の行動がわかり、少しずつ変化を起こしていけるという希望が持てます。

 

 

2.「自分や周りにたくさんの資源があることに気づけた」

「戦略」では、活動の中で関わっていく人を可視化する演習があります。

特に、自分達が一緒に活動していく仲間(コミュニティ・オーガナイジングでは「同志」と呼ぶ)や支援してくれる人(「支持者」と呼ぶ)をしっかりと可視化するため、参加者にとっては、共に活動していく人や、その人が持っている資源がこんなに多くあるのか、と驚きと感動が生まれ、「私たちだからこそ、できる」という希望が芽生えます。

 

 

3.「同志を誘うときに大事なのは『相手への関心』だと知れた」

「戦略」でゴールを設定できると、次に必要なのは仲間を広げていくためのイベント等の戦術戦術です。

そこで活用できる技が今回後半で学んだ「アクション」というフレームワークで、実際に人を誘うことに対する心のハードルを乗り越え、さらに誘う時の具体的なステップ(ツキコイと呼ぶ)を学び、練習することでその意義や効果を体感します。

人を誘う時に、一方的に自分の誘いたいことを押し付けるのではなく、相手の状況や大事にしていることを聞きながら、自分と相手とのつながりを丁寧に共有し、誘うというステップです。誘うこと自体が、相手を自分の意図する方向に仕向けるということではなく、相手を大事にできるポジティブなものだからこそ、ワークショップの直後の感想で、参加者から「ツキコイをやってみたい」という声が多く得られたのだと思います。

 

 

 他にも「チームメンバーの想いや考えをこれまで以上に知ることができた」という感想なども多く、1日中チームメンバーとじっくり自分達の方向性を話し合ったからこそ、チームメンバー同士の理解が進み関係性が深まったのだと思います。

 

 今回も、私たちKIKOOPのスタッフメンバーは、当日が参加者にとってより学びの多い場になるように、講義内容や講義のモデル作りなど新たな挑戦を試みたり、ワークショップ前のチームメンバーとのコーチングセッションを踏まえてのシュミレーションを何度も実施したりなど、取り組みました。

 

これから、戦略ワークショップで立てたゴール達成に向けて、各自治体で具体的な一歩が進んでいくのが楽しみです。

 

(コーチ:たかよ)