気候オーガナイザープログラム
REPORTS
トレーニング 2025.01.20

気候オーガナイザートレーニング第二弾(2024年12月戦略ワークショップ):仲間を増やし、勝ち筋を見つけて、着実に変化に近づく!

トレーニング

気候オーガナイザートレーニング〜自治体の気候危機対策をチームで変えよう〜第2弾」の一環として、11月16日のチーム立ち上げワークショップから3週間後の12月7日に、戦略ワークショップをオンラインで開催しました。3つの自治体から7名の参加者が集い、スタッフ7名と共に、戦略の考え方を学び、3つのキャンペーンを立ち上げました。

 

「気候危機に対して具体的にアクションする手だてが見えて光が見えてきた」

 

このワークショップに参加した方たち、そしてこの記事を読んでくださっているあなたも、私たちは日々気候危機の影響を感じていて、世界中の異常気象のニュースを見る度に不安な気持ちでいっぱいになることもあると思います。「自分にできることをしよう」と思っても、個人でできることが気候危機という世界規模の問題の解決にどのようにつながっているのかがなかなかイメージできず、心が折れることもあるのではないでしょうか。さらに、定期的なスタンディングやマーチも、気候変動対策の意思決定者にどのくらい響いているのかがわからないと、モチベーションを保つのが難しい場合もあるでしょう。

 

そんな中、コミュニティ・オーガナイジングの戦略のフレームワークでは、私たちは何に困っているのか、それが解決された状態はどんな状態かを絵に描くレベルで話し合い、具体的なゴールを設定し、どうしたらそのゴールが達成できるかについて仮説を立てます。その仮説に基づいたキャンペーン・タイムラインを作り、アクションの計画を立てることで、私たちがほしい変化に着実に近づいていくことを大事にしています。

 

それを実感した参加者からは、

「段階を経て戦略的にゴールに近づいていく必要性を感じた」

「意思決定者の関心を把握してアクションを実行することはとても現実的かつ効果的に感じた」

「具体的なゴールがきまり、やる気が湧いた」

「気候危機に対して具体的にアクションする手だてが見えて光が見えてきた」

などの感想がありました。

 

人々に共に行動するよう語り、仲間を増やすパブリック・ナラティブ

 

私たちが作りたい具体的な変化は、このワークショップに集まった各チームの数人がひたすら頑張るだけでは達成できません。それぞれが一緒に立ち上がりたい問題の当事者(これを同志と呼びます)を巻き込み、オーガナイズし、同志のリーダーシップを伸ばしながら、同志の資源を創造的に組み合わせて力を作ることで変化を達成します。それを可能にするのがパブリック・ナラティブというフレームワークで、今回の戦略ワークショップの最後に扱いました。

 

パブリック・ナラティブとは、なぜ「私」が立ち上がるのか、なぜ「私たち」がこの活動に取り組むのか、そしてなぜ「今」行動するのかをつなげて(リンキング)話すことで、人々に共に行動するよう語りかけるリーダーシップの実践です。これまでの気候オーガナイザートレーニングで想いを馳せてきた、自分の価値観、仲間と共有する価値観、そして今回のワークショップで考えた具体的なアクションとそれによって共に作ることができるワクワクする未来をつなげて話すことで、キャンペーンに関わる人を増やしていきます。

 

参加者は、ワークショップの短い時間の中でパブリック・ナラティブを作り、3分で語ることに挑戦しました。普段一緒に活動している仲間とも、価値観やその背景にある人生経験などについて語る機会はあまりなく新鮮だった、という声や、自分自身の人生を振り返って自分が何を大事にしているかを思い出せてよかった、などの声がありました。

(スタッフ集合写真)

 

今回のワークショップには、3つの自治体からの参加者と、KIKOOPスタッフの他、テクニカルサポートとして2人の方が参加してくださいました。様々な場所で気候危機に取り組んでいる人たちが一堂に会してお互いと関係を深めながら学ぶことに意義を感じてくださった参加者も多く見られました。このワークショップ終了後もキャンペーンを進める中で、このように多自治体のチームが集まり交流する機会は有用だという気づきがあり、KIKOOPで新たな企画のアイデアにつながっています。

 

地域でチームとキャンペーンが誕生していくこと、そしてそれをトレーニングとコーチングを通してサポートしていけることが、私にとっては大きな希望であり、日々の原動力になっています。この記事を読んで、ちょっと自分もやってみたいかも、と思った方、こちらのお問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。

 

(講師・コーチ:はるか)