気候オーガナイザープログラム
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トレーニング 2024.05.31

気候オーガナイザートレーニング(2024年4月味見の会):自分たちにもできそう!というわくわく感

トレーニング

4月25日(木)に、新しいプログラムの説明会にあたる、味見の会を開催し、全国各地から16名の方にオンラインでご参加いただきました。

この新しいプログラムは、「気候オーガナイザートレーニング ~自治体の気候危機対策をチームで変えよう~」という名称で、気候危機の自治体アプローチに特化してコミュニティ・オーガナイジング(以後CO)を学び実践する、約3か月間のオンラインプログラムです。詳細はこちらのリンクをご覧ください。

 

このプログラムでは、ゼロエミッションを実現する会・国立(以後ゼロエミ国立)が昨年11月、東京都国立市の地球温暖化対策実行計画の素案において、市の2030年温室効果ガス削減目標を62%(2013年比)に引き上げることを達成したキャンペーンから、参加者が学び、気候オーガナイザーとしてリーダーシップを伸ばし、実際にチームで自治体 x 気候危機のキャンペーンを立ち上げ、実践していくことを目指します。

 

味見の会の目的は、ゼロエミ国立のキャンペーンやCOに関心を持った方々、自身の自治体でもやってみたいと少しでも思った方々にCOを紹介し、プログラムに参加したいかどうかを検討する機会を作ることです。市民が気候危機に対してできることは、CO以外にも様々な形があります。参加者は、味見の会でCOのリーダーシップの考え方や具体的なゴールに向かった仮説の立て方などを知ることで、プログラムが自分に合っているかを見極めることができたのではないかと思います。

 

今回の味見の会で一番よかったことは、ゼロエミ国立のメンバーであるまいさんに、一緒に戦略、特に変革の仮説について考える講義を担当していただいたことで、参加者に「自分たちにもできるかもしれない」と感じてもらえたことです。実際にこのキャンペーンを実行したまいさんの等身大の言葉で話していただくことで、参加者にもそのリアルさが伝わったと感じています。

 

また、この講義の進め方は海外でCOを学び実践しているネットワーク、Leading Change NetworkのCOのオリエンテーションというイベントで使っている形式を参考に、工夫しました。私がまいさんに戦略の質問を投げかけ、まいさんがそれに答える形で進めることで、単純に誰か1人が話しているよりも講義に集中しやすいだけでなく、実際に戦略を考えるときに投げかける質問がわかりやすく伝わったのではないかと思います。

 

参加者は講義の中で、ゼロエミ国立がどのような変革の仮説を立てたかを考えるミニ演習を行った後、自分の地域で同じようなゴール(例えば温室効果ガス削減目標を62%に引き上げるゴール)を達成するとしたらどのような変革の仮説を立てるかを考えるミニ演習を行いました。参加者の多くが、自分の自治体でこのようなゴールを立てた場合、その意思決定者は誰か、その意思決定者の関心は何か、そして何より、その関心を引くために自分たちが持っている資源、つまりスキルや経験、得意なことや強みは何かを考えました。変革の仮説は普段からなかなか掴みづらいフレームワークですが、参加者の多くがスムーズに演習に取り組んでいる姿を見て、パワーの関係性を変えることをなるべくシンプルに説明した講義がよかったのかなと、ほっとしました。

 

参加者の振り返りでは、「仲間の強みに気づいた」「もっと同志とたくさん話していきたい」「普段つい問題やできないことばかりに目が向いてしまうので、既に持っているもの、できそうなこと(資源)に目を向けることで、心が楽になったことがうれしい。みんなにもこの感覚を味わってもらいたいと​思った​」などの嬉しいコメントがありました。

 

こうやって「気候オーガナイザートレーニング ~自治体の気候危機対策をチームで変えよう~」への参加を決めてくださった方々が、ご自身の地域でキャンペーンを実施し、そして味見の会で紹介してくださるようになることで、様々な自治体で気候オーガナイザーを増やしていきたい、気候運動でのCOの実践を広げていきたいと、強く思いました。

 

(講師・コーチ:はるか)