気候オーガナイザープログラム
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トレーニング 2024.05.20

2024年4月パワーアップ会:リーダーシップを育てるために仲間とコーチングし合うこと

トレーニング

4月4日(木)に、「コーチング」をテーマとしたパワーアップ会を開催しました。私たちKIKOOPで開催しているパワーアップ会は、コミュニティ・オーガナイジングを学ぶ気候活動家たちが集まって、フレームワークを復習したり、実践を振り返ったりする場です。1か月~数か月に一度の頻度で開催しています。

 

4月のパワーアップ会には7名の方にご参加いただきました。これまでのパワーアップ会は、一度コミュニティ・オーガナイジングを学んだ方が学び直すための場である意味合いが大きかったのに対し、今回は、今後プログラムにご参加いただく可能性も検討し、コミュニティ・オーガナイジングについて知るのが初めての方にも何人かご参加いただきました。

 

 

私たちがプログラムを通して伝えているコミュニティ・オーガナイジングでは、リーダーシップをこのように定義しています。

 

不確実な状況の中で人々が共有した目的を達成できるようにすることについて、責任を引き受けること。

 

他の人ができるようにするということ。コーチングはまさにそのための手法です。

これを実践することで、私たちはお互いのリーダーシップを伸ばし合い、成長し合うことができます。

その結果、少数精鋭で専門家や経験者のみが進める運動ではなく、誰もが参加できる運動、たくさんの人が参加する運動を作ることを、目指しています。

 

パワーアップ会では、このようなコーチングの重要性とそのステップを講義で振り返った後、3人1組のブレイクアウトルームに分かれてお互いをコーチングし合いました。

 

コーチングでは、課題に直面している相手に、アドバイスをすることはしません。

例えば、「他の活動メンバーにタスクをお願いしにくい」という人がいたとき、「活動メンバーに忙しさを聞いてみたら?」と提案したくなるかもしれませんが、それは一旦留めておき、代わりに、「どうしたらタスクをお願いしやすくなると思いますか?」など、その人に質問をすることで、その人自身の答えを引き出します。

 

「課題を抱えて困っているから相談しているのに、どうしたらできるかなんて逆に聞かれても!」と思うかもしれませんが、案外人は、状況について把握する質問をいろいろと受けた上で、どうやって解決できるかを直接聞かれると、自分の頭にある情報やアイデアを口に出して整理することができ、自分で解決策にたどり着くことができるものです。

 

参加者からも、「ダイレクトな質問は思っているより問題解決に進む」「どうしたらいいと思う?の質問が結構気付ける(そのような質問をされることで自分の置かれている状況に気付くことができる)」という振り返りがありました。

 

こうやって相手から答えを引き出していくことで、お互いの問題解決能力を育み、リーダーシップを伸ばしていくことが、コミュニティ・オーガナイジングでは重要です。

 

そんな中、「実際に自分が活動しているチームの〇〇さんとコーチングし合いたい」という声があったり、また、パワーアップ後の放課後の時間も残ってお互いにコーチングし合う参加者も見られ、とても嬉しく思いました。

 

活動が忙しいと、なるべく早く進められるようにやり方を教えてしまったり、気づくと1人で進めてしまっていたりすることもあると思います。

そんなときに、このパワーアップ会のようなコーチングをし合える場所がある、仲間がいることで、リーダーシップを育てることを再度大事にすることができるのではないでしょうか。

 

次にみなさんとコーチングし合える機会が、今から楽しみでなりません!

 

(講師:はるか)